2月24日 健やかに

短歌をはじめて1年2ヶ月が過ぎました。

冬の間はなんとかなるか…という気持ちでしたが、春夏秋はすごく忙しいので、ほんとにできるだろうかと心配でした。

でもやると決めた以上、何とかしなければならないので、とにかく定例の短歌会に必ず2首を出し続けることを目標にしました。

仕事中も仕事の行き帰りの車の中も休憩中も考えるのは短歌のことばかり。

いつもそばにある自然の動きが一番の材料でした。嫁や娘から孫たちの写真や動画が届いたらそれを題材に。主人から聞く宇宙の話からヒントを得たり。

こんなのでいいのかな?さっぱりわからないので、試しに京都新聞の歌壇にもたくさん投稿しまくりました。一向に新聞には出ません。それでも諦めずにだし続けました。

ある朝、主人の「お母さん‼️‼️」と呼ぶ声。ついに新聞に載りました。佳作です。

『椎ノ木が廃墟を覆うその上を蔓をのばして藤の花咲く』

我が家のすぐ近くにお化け屋敷のようになった空き家があり、そこに咲いている藤の花を歌ったものです。

文化祭にも出品させていただきました。

『夫(つま)の夢土星に行って輪の氷グラスに入れてオンザロックで』

短歌では夫と書いて“つま”と読みます。

土星の話は氷ででしているそうです。

 

そんなこんなで一年間の間に何とできた短歌は120首ほどになりました。

短歌をはじめてよかったことがありました。

90歳になった母を題材にしてつくった短歌を母にプレゼントしたことです。

気恥ずかしかったですが、元気な間に思いを伝えておこうと思ったのです。

すごく喜んでくれました。

電話がかかってきました。

「良子に向き向きやわ!」と。

こんな風に私がしたことを誉められたのははじめてのような気がしました。

“やっと誉めてもらえた”そう思いました。

 

京丹後市年刊歌集ができました。私もはじめてのせていただきました。

 

“健やかに”という題で10首

『コロナ禍に生まれ落ちたる我が孫は今日立春に満一歳』

『一歩二歩三歩四歩と歩む子の今の目標大好きな母』

『一歳と一ヶ月なる清ちゃんがこんにちはをする子犬みたいに』

『「これ」「あった」「でんしゃ」「ぱっぱ」と片言を母と二人で小春日の中』

『都会の児(こ)はじめて見たる蝉の幼虫(こ)を蝦(えび)かもしれぬと思い巡らす』

『取れないな真っ黒な手が動くけど一歳半が影を見つけた』

『「いたぞいた」ふかふか堆肥お布団にむっくり白い太っちょの君』

『走ってるまた走ってる三歳の孫の未来は何処を駆けゆく』

『我が孫は「ヨーイ」でスタートダッシュする負けず嫌いが早くも見えて』

『寝そべって蟻の動きに見入ってる幼き心不思議見つけて』

 

瞬間瞬間を切り取って、57577の型に言葉をはめ込んでいく作業。

そう簡単にはいきませんが愉しいです。


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