1月29日 情報化社会

私が結婚したのは昭和59年春。

私は社会のことなど全く知らない頼りない人間でした。そんな私に主人は「これからは情報化社会になる。」と世の中の動きを教えてくれました。

あれから早いもので39年がたとうとしています。その間に当然ですが時代はずいぶん変わりました。

ほとんど全ての人が手のひらで情報収集をするコンピューター持ち、生活に仕事に役立てています。私自身も年がら年中あまりにも手軽に情報を得ることができるスマートフォンには大変お世話になっています。

今年の初め、現在68歳の主人は人生ではじめてスマホを持ちました。

スマホ購入時、主人の運転免許証と本人の写真を照合し本人であるかどうかをコンピューターで確認するという手続きがあったそうなのですが、“コンピューターが本人であるということが確認できないと言っている”ということが起こり、主人は「何?!それではこのわたしは誰なのだ?!」と思わず自問自答したそうです。

本人が本人だと言っている以上本人だと思うのですが、コンピューター相手にどうやって説明したらいいのだ?!!という疑問にぶちあたったというのです。

その手続きはドコモの会社側がそれをすれば1万円安くなりますと言って勧めてきたものだったので、疲れてしまった主人は「もういい」と言って帰ってきたようです。

これからはデジタル化の時代です。こういう問題がたくさん出て来るだろうと主人は言っています。

運転免許証の写真を撮ったときの主人とスマホ購入時の主人の写真では時間の経過なのか、撮影の仕方なのか、機材によってなのかはわかりませんが確認不可能な状況が起こっていたのでしょう。

自然界のものは全ていつも変化をしています。人間ももちろん自然の一部です。じっと同じ状態で止まっていることなどあり得ません。それが当たり前であり自然なことです。

ということは、デジタル化の中では同じものであるのに違うと言われることが起こるということになります。

今日、主人は養老孟司さんの『遺言』という本を読んでいました。その中に主人が体験したまさに同じ事が書いてあったそうです。

マイナンバーで人がコンピューターに管理される時代。意識の中で自分は自分だと言っていても、実体としての自分は常に変化をし続けている。

その中で自分が自分であることをどう証明したらよいのでしょうか。そんな無理なことが起こることを想像しておく必要があるようです。

養老孟司さんが主人と同じ事をずいぶん前に考え、整理して本にしていてくれたことが主人にとってはとても救いになったようでした。

無知な私は情報化社会はここまできているのだと知ることができました。

主人はまだ「この自分はほんとに自分なんだろうか」とあの出来事以来、後遺症に悩まされることがあるそうです。😅

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