3月18日 大江健三郎さん
2013年頃だったと思います。
主人が新聞を読んではすごく怒っていました。
私は社会のことには全くうとくぼんやりなのですが、主人は「もうこの新聞はやめる!!」というのです。
義父の頃から長年とっていた新聞でした。
新聞の内容が新聞社によって違うなど私は考えたこともありませんでした。
たいがい似たような事が書いてあるのだろうとしか思っていなかったのです。
このままでは戦争になりかねないほどの危機感を感じたようでした。
その後、我が家は右翼にも左翼にも片寄らない地方版の“京都新聞”を愛読しています。
先日、大江健三郎さんがなくなりましたね。
川端康成さんに次ぐ日本で二人目のノーベル文学賞を受賞された方です。
まあるいメガネがよく似合う、とても温厚そうな面持ちで、“人を笑わせることが好きだった”と何かの記事で読みました。
2013年頃といえば安倍内閣で憲法改正が叫ばれはじめた頃です。
何か嫌な気配を感じていました。
“戦争の気配”です。
私には2人の息子がいます。
戦争に行かせるなんて絶対に嫌だ!!
そんなことのために頑張って育ててきたのではない!!
どうしたらいいんだろう?
どんな風に物事をとらえていけばいいんだろうと母親である私は思いあぐねていました。
そんなとき、テレビで“9条の会”を知りました。
大江健三郎さんや澤地久枝さん、井上ひさしさん他の呼びかけで、“反戦”が訴えられました。
9条の会のメンバーには網野で講演をされた内橋克人さんや映画監督の山田洋次さんなどもおられますね。
お二人とも私は大好きな方です。
とりわけ私がテレビで知って共感を持ち勉強させていただいたのは、内橋克人さんと澤地久枝さんです。
当然のことながら全く面識などありませんが、テレビを通じて世間知らずで頼り無い私を支えていただいたと感謝しています。
大江健三郎さんは戦争にならないように一生懸命考えてくださいました。
こういう人たちのお陰で今の私はあるような気がします。
私にとっては親の世代のこの方々ですが、仕方ないこととはいえ皆さん亡くなられていきます。
残さていく私たちは、世の中に安易に流されるのではなく、しっかり勉強して自分の考えをまとめていかなくてはならないと思います。
大江健三郎さんの本をたった一度ちょっと開いたことがあります。
その時はまだまだ落ち着いて考える余裕もなく、また知識や経験などの下地も乏しくて全く読むことができませんでした。
今年また冬が来て、ゆっくりする時間ができたら読んでみたいです。
難しいからまだ私には読むことができないかな?
ちょっと心配です。
ボケの花が咲きました。